白山の
農家さんたち

美しい日本を代表する白山、日本アルプスを眺めながら農を営む農家さんに会ってきました。


●文責 上瀧竜矢

■はじまり

今回の旅も突然やってきました。

「野菜が無い!」

イセヒカリのお米をいただいている奥野さんが野菜を作っていらっしゃることは知っていましたが、まだ頂いたことがありませんでした。

お店を任せているスタッフのゴリ君に聞くと「畑を一度見ていただいてから野菜のことは考えましょう。」という話で終わっていますとの事。

“また旅が出来るぞ!”とワクワクしながらご連絡させていただきました。

「明日行っていいですか?」

「あっ、あ〜そうですか。分かりました。お待ちしています。」

ということで石川県に行くことが決まりました。
私の行動はいつも突然で、思い立った時に何でも行動を始めます。

それに付き合わされる方。ごめんなさい。

奥野さんの農法はお電話ではお聞きしていましたが、独特の理論をお持ちでした。
「農家が農家として生計を立てられる農業。」
奥野さんと話をしていて一番印象に残った言葉です。

これを見たくて行ってまいりました。

■白山市

大阪から4時間半。
思ったより時間がかかりました。

私の旅は観光も入ります。
途中のサービスエリヤで休みました。
尼御前岬というサービスエリアですが、そのまま車を止めたまま外に出ることが出来ます。
外に出ると 目の前に磯があり、磯釣りにはよさそうな場所です。
観光場所にもなっています。
“磯竿を持ってくればよかった”こんなことを考えながらウロウロしてしまいました。
こんなことを何度かして、ようやく待ち合わせ場所に到着いたしました。

はじめに、田んぼに向かいます。
周りの田んぼに比べてスカスカの田んぼです。

慣行農法の場合、1坪に約120本の苗を植えます。
奥野さんの畑は35本です。

どうりでスカスカのはずです。
「こんなに苗が少なくて収量はどうなのですか?」と聞くと、そのときにもよりますが、通常の8割ほどは収穫できるそうです。

「1つの苗に対する面積が大きくとってあるので苗自身が元気に育ち、収量もそこそこ伸びます。」

なぜ、収量が伸びるのか詳しく話していただきましたが専門用語があり、私には理解不能でしたが、「とにかく元気なんだ!」と感じれました。

続けて、お野菜を見させていただきました。
キューリを見つけ、ピンっと伸びているツルで早速実験です。
「さて、今回はどれくらいで捲いてくれるのかな?」 と思っていると今回は1分位でくるくると捲きついてきてくれます。

何をしているのだろうと見ている奥野さんに埼玉県の関野さんに聞いた話をしました。

「 植物は話が出来ないぶん人の心が読めます。
心が綺麗な人ほどツルが捲きつくスピードが速いですよ。」
奥野さんも早速、実験をされていました。

ビニールハウス、露地栽培の畑を見学させて、ご一緒に昼食を頂きながらお話を聞けました。

奥野さんも、前回行った元田さんとの共通するところが、
トコトン調べることです。
土の写真、微生物の写真、糖度を測る機械、いろんなものを見せていただきました。

また、農法で悩み、たくさんの著名な農家さんに会われています。
その結果、出した結論が有名な方のほとんどが農業で生計を作っていない。
結局、自分で極める以外道が無い。
ということでした。

良いといわれる農法はほとんど全てされました。
ただ、うまくいくことはありませんでした。

たどり着いたのが地力を上げ、無肥料無農薬での農法です。
奥野さんとの話の中で印象に残った言葉を箇条書きにします。

1.「農薬をかけてもいいです。肥料も入れて良いです。ただ、それでどんな害があるのかを、ちゃんと理解してしている農家があまりにも少なすぎる。」

2.「人と違う、やり方をすれば人につぶされます。
私の場合、ある時期から小学校が注目してくれて小学生が見学に来ました。それを周りの農家さんが見て認めてくれました。」

3.「〜農法というのはエゴの世界になり、独り占めすることになるのでそういった言葉ですることは好きではないです。」

4.「私はエゴが強いエゴファームです。」


奥野さんの畑は現在は寂しい状態ですが、
これで収量が通常の8割出来るとは。



お隣の畑です。全く違います。

 


奥野さん

 

 

 

奥野さんからいただいている
お米 イセヒカリです。

■高山市

次は与島さんの畑を目指します。

与嶋さんに連絡を入れたのも奥野さんの畑からでした。
あまりにも突然の訪問です。
予定があるのにもかかわらず、時間を空けていただいて感謝です。

白山市から高山市まで、2時間のドライブです。

途中、雨がすごかったのですが、渓谷が続く絶景です。
初めて高山を訪ねる私は
「晴れていればどんな景色なんだろう?」
考えるころはこんなことばかり。

与嶋さんは私に無肥料の世界を教えていただいた人の1人です。
やっと与島さんの畑が見れる。会いにいける。と思うとワクワクします。

久しぶりにお会いし、積る話もそこそこに畑を見学させていただきました。

高山は海抜600mと標高が高く涼しいところです。
その気温でトマトの成長が平地に比べて遅いです。
与島さんの自宅横の畑を見終えて次の畑です。

畑に向かう途中、“ゲンジ蛍が見れます”と排水溝みたいな場所に看板がありました。
やはり水は綺麗なのでしょうね。
最近、私は見たことがありません。
子供たちに見せてあげたいです。

与嶋さんから話に聞いていた日本アルプスが180度の角度で見れるまるで舞台みたいな畑です。
あいにく私が行った時は雨で見れませんでしたが、想像は出来ます。
その畑は土の色が赤色で、地力はほんとに無さそうです。

「無肥料は地力は関係しますかね?」

「大いに関係すると思いますよ。この畑は学校のグラウンドみたいな土なので本当に難しいです。」

地力の少ないところで作物を作るのは至難の業みたいだ。
でも、この土の色であんなおいしい野菜が出来るとは…。

岐阜県では与嶋さんが無肥料の先駆者だ。
以前は無肥料の仲間はいなかったが、最近は少しづつ無肥料の仲間が増えてきているらしい。

「せっかく来ていただいたのだから。」

と農家さんを紹介していただきました。


与嶋さん

 


赤くなっていないトマトを始めていただきました。
すごかった。

■石撤白

あくる日は晴れてくれて日本アルプスが見れるかなと期待しましたが、見れませんでした。

そのまま、高山をあとにし、石撤白に向かいます。
所要時間は1時間半。
当然、 石撤白という場所にも行ったことが無いので見る景色はとても新鮮です。
高速を降りると、断崖絶壁の山が目の前にそびえ立ちます。

それを超えると石撤白です。
ここからの景色は息を呑む絶景の連続。
出てくるのはため息ばかりです。

峠を登りきり、下りに入るとそこからの景色も別物。
白樺が続き、小川が。。。
よく見ると“キャッチアンドリリース”と書いてあります。

「えっ、ひょっとしてフライフッシング区間?」

すぐさま車を降り、川を見ました。

このときほど
“竿を持ってくるべきだった”
と後悔したことはありません。
ものすごく綺麗な川でした。

川の精霊がたくさんいそうです。

個人的にまた来たい場所となってしまいました。

こんな場所で農業をされている稲倉さんとはどんな人なんだろうか?

「釣りが好きでこの場所で農家さんをしているのかな?」と都合のよい想像をしながらお会いしました。

稲倉さんと私は同い年ということもあって、話は弾みます。
稲倉さんは農業をしようと決め、脱サラをして奥様の実家の石撤白に来られました。

農作物の話から始まり、石撤白の気候のこと、前職との違い、今これからやろうとしていること、環境のこと、地域のこと、いろんな話を短時間の間でしました。


道路の頭上からこんな瀧が
怖いくらいに綺麗です。

 


稲倉さん

畑で話をしていると、とにかく寒いです。
私はTシャツで“寒いぼ”が出ています。
石撤白では1年中コタツ、ストーブが出ているほど寒いのだそうです。

ここは海抜1000以上。
この気候なのでトマトがようやく定植できる時期なのだそうです。

その後、白山中居神社を案内していただきました。
昔はここから白山を目指し登って行ったそうです。
この地域は神様とつながっている場所といわれ、村の人たちは帯刀が許されていた歴史があるように本当に神社の鳥居から杉の木が全く別物のように見えます。

こんなエネルギーの高い場所のお野菜が楽しみです。

 


白山中居神社

■感じたこと

最初に訪ねた奥野さんが「晴れていれば白山が綺麗よ。」
といっていただいてからよく考えれば白山周辺の農家さんに行った事に気づきました。

白山を1周させていただくような旅になりましたが、日本もまだまだ捨てたもんじゃない。
大自然が残っていると感じれました。

私はニュージーランドに行ってから自然と向き合う仕事をしたいと現在の健友館を立ち上げましたが、そのときは日本とニュージーランドの自然のギャップ、考え方の違いでいつかはニュージーランドに住みたい気持ちでいっぱいでした。

今回の旅は少し向き合えばこんな大自然が取り戻せる可能性はまだまだある気になりました。

少しでも多くの人にこのことを伝えたいです。


今回回った農家さんたちです。
赤いところがそうです。