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【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】公開特許公報(A)
【公開番号】特開2004-89905(P2004-89905A)
【公開日】平成16年3月25日(2004.3.25)
【発明の名称】還元性を与える波動の放射方法とその装置

【国際特許分類第7版】
B01J 19/08
A01G 7/00
【FI】
B01J 19/08    Z
A01G 7/00 604C

 

詳細な説明

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋内外の所定の空間領域、およびその領域内に存在する動植物などの対象物に、高い還元性(電子または水素を供給する性質)を付与する方法と、そのために用いられる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、還元性を付与する方法としては、電子供与性の薬剤或いは還元薬剤等を用いた化学的方法が知られているが、この方法では、水や液体を媒体として用いるのが一般的であり、これらの媒体を用いずに、直ちに空間領域、あるいはこの空間領域を介して対象物に還元性を与えることは、できなかった。
【0003】
また、電気化学的方法であっても、電極の界面に於ける反応を利用するために電解質の存在が不可欠で、前記の方法と同様に、対象物に対して直ちに還元性を与えることはできなかった。
【0004】
また、このような媒体を用いず、還元能力の向上に作用する負の電位を大きくするものとして、マイナスイオン発生装置があった。このマイナスイオン発生装置は、高電圧による気中火花放電を利用し、空気中にマイナスイオンを放出するようにしていた。
【0005】
さらにこれらの他に、本出願人が先に出願した特願2001−59483に示される全く新しい方法や装置もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の媒体を用いた還元方法は、クリーニングや物品の加工など、特定の分野を対象としたものであり、動植物や飲食物など、対象物によっては、使用することができなかった。また、生活空間などの環境改善にも利用することができなかった。
【0007】
また、電極間で気中放電を行い、発生したマイナスイオンを放出するようにしたマイナスイオン発生装置は、媒体を用いないので、直接、生活空間などの環境を変えたり、その空間内に位置した対象物にマイナスイオン効果を与えることができるが、放電によるマイナスイオンの発生と合わせて、不要なプラスイオンが起生したり、多量に吸入すると人体に有害なオゾンが発生するという問題点があった。また、空中放出方式のため、マイナスイオン効果が露現する領域が限られるという問題点もあった。さらに、このマイナスイオン発生装置は、電極、高電圧電源などを必要とし、装置の大型化や高価格化が避けられず、しかも作動の際に、ノイズを発生するので、使用者に不快感を与えたり、周囲の送受信器具や、精密機械器具などに悪影響を及ぼすというおそれもあった。
【0008】
また、本出願人が先に出願した特願2001−59483に開示している技術内容は、充分な原理的把握に到達しておらず、そのため必ずしも完全な再現性が得られるとは限らず、スケールアップをはかることも困難であるという問題点があった。
【0009】
本発明は、上記従来の還元方法や、還元装置が有していた問題点の解決を課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明のうち、請求項1記載の発明は、中心に内部導体を有し、その周囲に誘電体を介して外部導体が設けられ、櫛歯状に配置された複数の同軸型放射体の前記内部導体と外部導体に、それぞれを流れる電流の向きが互いに反対方向になるように、この同軸型放射体の共振周波数に対応する高周波の交番電流を印加することにより、超音波を発振させると共に、静電波と称せられる変動する電界を生じさせ、被射体に電子供与作用による還元性を付与するようにしたことを特徴とする還元性を与える波動の放射方法である。
【0011】
請求項2記載の発明は、還元性を与える波動の放射装置を、中心に内部導体を有し、その周囲に誘電体を介して外部導体が設けられ、櫛歯状に配置された複数の同軸型放射体と、この同軸型放射体に高周波数の交番電流を供給する発振器とで構成した。そして、上記内部導体と外部導体に、それぞれを流れる電流の向きが互いに反対方向になるように、上記同軸型放射体の共振周波数に対応する高周波の交番電流を印加することにより、超音波を発振させると共に、その周囲に静電波と称せられる変動する電界を生じさせ、被射体に電子供与作用による還元性が付与されるようにしたことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成に、各同軸型放射体が発振器と直列に接続され、かつ、その内部導体と外部導体との間に、印加される交番電流の波長に同調させるためのコンデンサを設けた構成を加えたことを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載の発明の構成に、各同軸型放射体を、湾曲した反射板上に固定し、等しい曲率で同方向に湾曲した構成を加えたことを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、上記請求項2から4のいずれかに記載の発明の構成中、同軸型放射体を、所定の長さに切断された同軸ケーブルに限定したことを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明の構成中、同軸ケーブルを、その外被が除去されたものと限定したことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
まず、本発明に至る経緯を説明すると、物体に還元性を付与するためには、物体に電子または水素を供給する性質を与えれば良いのであるが、その際、媒体を用いず、直接、対象物に電子を与えるには、そのような機能を有する電磁波を照射すれば良いのではないかと考えた。しかしながら通常の電磁波は、変位が波の進行方向に対して垂直な横波、つまり半波の次元で反転する波のため、被射体に電磁誘導帯電が生じたとしても平衡化されてしまい、負電荷を残すことはできなかった。
【0017】
そこで、このような電磁波とは異なり、縦波あるいは定在波、もしくは静電波と称されるような波動を放射することにより、被射体に負電荷を与え、還元性を付与することができないかと考え、精意、検討、実験を積み重ねたものである。
【0018】
まず、必要とする波動を得るには、放射体から放射される横波成分をゼロにするか、極力低減しなくてはならない。そのためには、通電する電流によって放射体に発生する磁界をゼロまたは低減すれば良い。そこで本発明者は、同軸ケーブルにおける表皮効果、即ち、同軸ケーブルでは、芯部より外周部の方が電気が通り易く、高周波の電流または電磁波は、導体の表面付近に局限されて内部に入らないという現象を逆にとらえて、この同軸ケーブルをモノポールあるいはダイポールアンテナに類した方式で使用すれば、発生電界対磁界を非平衡化することができ、さらにこの同軸ケーブルを、表面弾性波を生じるメアンダ線路のように、櫛歯状に配置すれば、所望の波動を生じさせることができるのではないかと考えた。
【0019】
しかして所定長さの同軸ケーブルを用い、その中心の内部導体と、周囲の外部導体との間に、それぞれを流れる電流の向きが互いに反対方向になるように、この同軸ケーブルの共振周波数に対応する高周波の交番電流を印加したところ、ほぼ期待通りの効果が得られたものである。
【0020】
なお、実験においては、以下の測定機器を用いた。
・「電磁波メーター」、(株)マザーツール製、EMF−825
・「空中用超音波センサー」、日本セラミック製、♯R40−16
・「ORP計」、東亜電波製
(本体)、「ORPメーターRM−20P」、製番:A8CL093W
(センサー)、「PST−2739C」、製番:010F0009
・「イオンカウンター」、キョウリツエレクトロニクス製、KEC−800型
【0021】
また、還元性が生じたか否かは、水道水を水検体として使用し、そのORP(Oxidation−Reducation Potentials)値を測定することにより確認することとした。
【0022】
ここにおいて、このORP値について簡単に説明すると、一般にある物質が他の物質を酸化あるいは還元する能力は、正の電位が大きいほど、酸化能力(電子または水素を受容する能力)が高く、負の電位が大きいほど還元能力(電子または水素を供給する能力)が高い状態にあると言えることから、その酸化還元電位を測定することにより、容易に知ることができる。ORP値は、この酸化還元電位のことであり、化合物などの酸化還元能力を測定する指標として広く一般に用いられているものである。
【0023】
以下、この実験で得られた現象を裏付けるため、種々の観点からの考察を述べる。
【0024】
まず、放射体として用いられた同軸ケーブルの内部導体と外部導体との間には、両者間に存在する誘電体の静電容量に応じた電流(往復電流・反対方向の電流)が流れ、この同軸ケーブルがアンテナのように機能し、電波を放射することとなる。また、この時、内外の導体間には、クローン力が作用し、このことにより両導体は、印加された交流周波数の2倍の振動数で微かに振動していることが近年、明らかになった。
【0025】
更に、この放射体の極く近辺の空間を有効領域(波源の極く近くだけには、エネルギーを運ばない波が存在(≒定在波)することは知られている)とするような運用方法を採用すれば、定在波として取り扱うこともできる。
【0026】
また、この放射体がつくる電磁界成分の合成は、磁界成分が少ないので同軸中心線方向に電界成分が極めて強い縦波となる。縦波は、波源近傍の半径1波長以内の所では、極端に強い場となることは知られている。加えて、縦波は、被射物に対し、静電的な誘導を起生し、その物体の誘電率に応じて電界が侵入することも知られている。
【0027】
なお、電子の粒子性は広く知られているが、波動性を論ずる「電子の在存確率波」理論では、電子の存在条件(存在状況)によって、明瞭な波状になる場合、全空間に広がっているように見える場合と、波束になっていて粒子のように振舞う場合があるとしている。
【0028】
その理由として、存在確率を示す「ψR 2 +ψI 2 」のψR とψI の位相は90°ちがっている。
【0029】
前記の同軸型放射体に於いて、内部導体と外部導体の端末を接続して前記同様に電圧を加えれば、往復電流が流れることは勿論であるが、中心の内部導体からの放射と周囲の外部導体からの放射は反対方向に180°ずれるが、間の誘電体の存在によって内部導体からの放射は、電界(電圧に比例発生)と磁界(電流に比例発生)に90°前後のずれ(電流と電圧は誘電体の存在のよる90°の位相差を発生する常識から推察して)を生じ、前述の180°から、この90°を加えた(あるいは減じた)90°の位相ずれを持った合成の空間放射波となっているのではないかと考えられる。モノポールあるいはダイポールから放射される一般的な電磁波は、横波で、電界と磁界は位相がずれていない事とは違ったニュアンスを持つこの放射波が「電子の存在確率波」(≒電子波)に通ずる性質を持っているのではないかとも考えられる。
【0030】
また、放射波の波長(周波数)が違えば、現象(の性質)が異なってくることは知られているが、波長が同一でも波形が異なると現象に違いが生ずることが伺えた。つまり、同軸型放射体を直線状に配置するか、湾曲させて配置するか、また、単体で用いるか、複数で用いるか、複数で用いる場合、その時の配列をどのようにするか、その際、各同軸型放射体の端末を開放するか、接続するか、さらには、通電のためにそれぞれを直列に接続するか、並列に接続するかなど、種々の条件によって、放射波は空間に於いて複雑な干渉を生ずる。実験においては、これらの条件を種々組み合わせて検証し、結果として呈現された諸々の現象の中から有用な放射体の配置や組合せを選択した。
【0031】
放射波の性質(呈現する現象)と幅射量の調整から見れば、直線状または僅かに湾曲させた放射体を、ある間隔にて複数条、平面、または僅かな曲面上に列設した集合形式のものが良策と考えられ、この点は実験においても検証された。
【0032】
なお、コイル状にこの放射体を巻いたものは、コイルの中心軸方向に極めて強い縦波を発生するが、その調整と製作が極めて困難であるため、今回の実験からは除外した。
【0033】
放射体を集合させた場合、各放射体の体長が、周波数と相関することは常識である。つまり、体長が「1/波長の偶数倍」のとき共振同調し、放射が完全に起生する。また、放射体の内・外導体の間に存在する誘電体の静電容量とも相関する。
【0034】
並べる放射体の条数は幅射量と相関するが、配列の間隔は干渉に大きく影響する。その端末の接続や開放は、放射波の基本的性質を決定するであろうし、複数条体に於いて、この接続と開放の単体をとり混ぜれば、更に複雑化した放射波となると思われる。
【0035】
複数の放射体を列状に並べ、この全体を平面あるいは湾曲面とするために、反射板様式の金属板にそれぞれの放射体を取り付け、組み立てることも可能である。なお、この場合、反射板として、金属板を用いると、放射エネルギーの吸収(静電誘導〜電界侵入〜2次放射(反射)及び散乱が生ずるおそれがあり、また、電磁誘導を供うので好ましくなく、アルミニウムや銅、あるいは、セラミックなどの磁性を持たないものを使用するのが好ましい。
【0036】
また、同軸型放射体は、必ずしも上述したような同軸ケーブルを用いなくても良く、中心に内部導体を有し、その周囲に誘電体(空気層であっても良い)を介して外部導体が設けられた円筒形の部材であれば良い。さらに、同軸ケーブルの外被に対応するものが無ければ、一層、高い放射効果が得られるので好ましい。
【0037】
次に、上記の実験の結果得られた本発明に係る放射装置を、図示した実施の形態に基づき詳細に説明する。
【0038】
図1は、本発明に係る還元性を与える波動の放射装置1の斜視図である。図示したように、この放射装置1は、表面が外方(図1において紙面の左手前側)に突出するように湾曲し、両端が折り返されたアルミ製の反射板2の表面に、細長い形状の同軸型放射体3を所定間隔おきに複数、縦方向に列状に並べて取り付けたものである。この同軸型放射体3は、中心に内部導体3aを有し、その周囲を絶縁材である誘電体3cを介在させて外部導体3bで覆ったものであり、ここでは、同様の構成を有するTVアンテナ線用の同軸ケーブル(3C−2V)を、便宜的に用いている。なお、この同軸ケーブルは、反射板への結束部分を除いてその外表面を覆った外被3dが除去されている。
【0039】
この同軸ケーブル製の放射体3は、それぞれが約30〜50cmの長さで、その一端(図1では下端)において直列、即ち隣り合った同軸型放射体3の内部導体3aと外部導体3bが、交互に接続されている。そして、その両端から引き出された導線4は、供給電源を所定周波数に変換する発振器(図示せず)を介して、電源に接続されるようになっている。また、この同軸型放射体3の他端(上端)は、図2に示すように、その内部導体3aと外部導体3bがコンデンサ5を介して接続されている。このコンデンサは、放射装置1に供給される交流周波数の波長に、この放射体を同調させるために用いられるものである。つまり、コンデンサ5を設けることにより、放射体3自体の単体長を延長したのと、同様の効果が得られるようにしている。例えば、各放射体3の内在静電容量を67pF/mと仮定して計算すると、2.2μFのコンデンサをつないだものは、その単体長が、32,836mに相当する。
【0040】
ここにおいて、本発明では、発振器として入力DC12V,10mAで、2.5KHzの周波数の交流を出力するものを使用した。この場合、この周波数の電波の波長λは、120kmであるので、これに共振する放射体の長さは、1/4n(n=倍数)となる。従って、上記2.2μFのコンデンサをつないだ放射体の長さは、この波長の約1/4に相当し、ほぼ上記の共振する条件を満足するものである。このように接続するコンデンサは、印加される交流周波数の波長の1/4nに対応するものを適宜、選択し、使用すれば良い。
【0041】
次に、上記の構成を有する本発明の波動の放射装置1を、屋内の所定位置に通電状態で置いておき、その周囲の各所に置いた水検体のORP値の経時変化を測定することにより、その効果を確認することとした。
【0042】
テストを実施したのは、大阪市内の一般的な高層・集合住宅(鉄骨コンクリート5階建)の3階部分の1区分(約35平方メートル)内で、室内には一般的な家具類が配置されてあり、放射体の設置場所としては、壁面の上部及び家具類の上とした。「水検体」の位置としては、同室内の他処の家具類の上、あるいは内部の複数個所とした。
【0043】
放射体1から水検体までの直線距離は0.45〜5.5mで、その直線上に家具・什器等が存在し、障害物となっているので、両者を直視することはできない状況であった。
【0044】
また、水検体の水は、一般の水道水を用い、容器は、一般の180ミリリットル容量のガラスコップと、ペットボトル(以下、PETと略す)を容器状に加工したものの二種を用いた。なお、充填する容量は何れも150ミリリットルとした。
【0045】
この水検体を放射体1から0.45m、1.2m、3.0m、4.2m、5.5メートル離れた部屋の各所に置き、そのORP値の経時変化を測定した。
【0046】
なお、この測定の際、厳密には、水素電極に対する塩化銀電極の電位を加算する必要があるが、ここでは煩雑になることを避けるため、ORP計に表示された数値をそのまま用いている。
【0047】
下記表1は、このようにして測定された各水検体のORP値の経時変化を示している。
【0048】
【表1】

【0049】
この表から明らかなように、放射体1と共に部屋に置かれた水検体のORP値は、当初721mVあったものが、時間の経過と共に急速に低下している。また、その変化は放射体1に近いほど、大きく、明らかな相関性が認められる。
【0050】
なお、この時、水検体のPH値も同時に測定したが、当初の7.3から殆ど変化しなかった。また、比較対象を行うため、放射体の影響を受けない個所(20m以上離れた他の部屋)での水道水のORP値の変化も測定したが、この場合、1日では、殆ど有意な変化が認められず、10日前後放置しても300mV程度まで低下しただけであった。
【0051】
また、水検体のORP値が十分低下した後、放射を中止し、この被射水(被射水検体)をそのまま当室内に置いておいたところ、時間の経過と共に、そのORP値の劣化は徐々に進行し、約24時間後には30mV前後を呈した。他方でこの被射検体の少数を平常空間(前記の当建屋、屋上の用具収納庫内)に置いたが、その劣化はゆるやかながら進行し、数日間で120mV〜200mVを示した。
【0052】
さらにまた、新たな水道水 (700mV前後)を同様な水検体として、この放射を中止している室内に置いたものは、24時間経過で130mV〜200mVになり、その後、約80時間経過しても、この値は殆ど変化しなかった。
【0053】
以上のことから、室内の殆ど全域が還元化され、その残留分が新たな物体(還元性の劣るもの)を還元していることが分かる。
【0054】
また、本発明の装置を作動させた際、周囲のマイナスイオン量が増加することが、イオンカウンターで確認された。これは、本発明の装置から併発的に生じている超音波の作用と、静電波による作用が相乗的に効果を発現していると考えられる。
【0055】
なお、この実験の際、周囲において、携帯ラジオでAM・FMの全周波数にわたり受信したが、放射波由来のノイズは認められなかった。また、室内で使用のテレビ、携帯電話、パソコン類にも支障の発生は認められなかった。
【0056】
なお、この放射装置1を空間領域で使用する場合、プラスチック製のケース内に収納した形状のもので良く、また、上記の如き裸の形態でも良い。プラスチック製ケースに収納したものは、水密構造にして、水中に沈め、あるいは水面に浮かせても良いし、地中に埋設して使用することもできる。また、ケースなしの裸の形状のものでも、各同軸型放射体3に絶縁性の外被3dがあれば、水中に浸漬、あるいは地中に埋設して使用することができる。
【0057】
表2は、図1に示した形態の放射装置1を水中に浸漬した状態で通電し、前記の場合と同様にして、それぞれ所定の個所に置かれた各水検体のORP値を測定した実験結果である。
【0058】
【表2】

【0059】
この表から明らかなように、この場合も、水検体のORP値は、自然環境下では考えられない程、時間と共に急激に低下している。また、放射体1から最も近い位置に置かれた水検体AのORP値は、それより遠い位置に置かれた水検体B,C,DのORP値より、その変化が少なかったが、水検体B,C,D,Eにおいては、放射装置1に近いほど、その変化が大きく、この間には、明らかな相関性が認められた。
【0060】
なお、上記の実験中に得られた知見として、野菜類の鮮度が延長・切花の枯死期間の延長・鉢植え草花の生育が促進・液体の蒸発・放散が促進・ビン詰・缶詰・パック包装の飲料・食品の味覚の良化・酸化剤水溶液の変化、水道水の脱塩素化等が挙げられる。
【0061】
また、本発明の装置からは超音波が併発しているため、被射物に熱を加えることなく、含有された水分の蒸発や放散を促進することができる。よって、野菜類などの食品に含まれる養分を変質させることなく、これらの野菜類を乾燥させることできる。さらに、家屋内の建材などに含まれるホルマリンや各種揮発性有機化合物の蒸散を促進させることができると共に、還元化効果によりこれらを無害化することもでき、シックハウス対策としても有効であることが認められた。
【0062】
以上のことから次の諸点が判明した。
【0063】
即ち、
▲1▼同軸型放射体の内部導体と外部導体を接続することにより、位相がずれた放射が得られること。
【0064】
▲2▼同軸型放射体を複数、並べた集合様式の放射装置では、条数に応じて放射波の干渉が複雑になるが、幅射量(強さ・放射範囲)が増えること。
【0065】
▲3▼給電用の導線は、直列接続が好ましいこと。
【0066】
▲4▼同軸型放射体は、湾曲させた方が、直線状に伸ばしたものより好ましいこと。
【0067】
▲5▼反射板の存在が好ましいこと。
【0068】
▲6▼各同軸型放射体の内部導体と外部導体とをコンデンサを介在させて接続することが好ましいこと。
【0069】
▲7▼高周波(100Hz〜数10KHz)の交流電源の使用が好ましいこと。
である。
【0070】
また、放射を受けた(被射によって)物体・物質に生じた変化・影響
(効果)の諸点より判断して、当該放射波の特徴として下記の諸点が列記できる。
【0071】
(1) 通常(通信用に使用されている横波、即ち、電界成分と磁界成分が一致している電磁波)の電波の性質と同一であるとは考えられない。
【0072】
その理由は、AM,FM受信でノイズが認められないからであり、給電の周波数が2.5KHzであるから当然としても、放射波の磁界成分は極めて少ない電界成分のみであるから、完全な横波でないノイズを運ぶ搬送波(横波の電磁波)でないので「定在波」として取り扱えるためと思われる。
【0073】
(2) 物理的作用を与える赤外線(電磁波の1種)のエネルギーと比較すると、赤外線が物体・物質に入射(吸収される)すれば、科学的な反応は殆ど生じることなく、そのエネルギーの多くは熱エネルギーに変換される。この原理を利用した電気ストーブでは、その放射(加熱)を受けた水検体のORP値は、ある程度まで徐々に良化してゆくが、本発明装置には遠く及ばなかった。しかも本発明装置の電源は入力DC12Vで10mA,出力は2.5KHzのIC回路であることから平均的な放射出力は数mW以下と思われ、このことから、両者のエネルギーは全く異質であることが判る。
【0074】
(3) 被射体における水分や液体の放散・蒸発が促進され、また、超音波センサーで超音波の発振が認められた。
【0075】
(4) 当放射波は、透過性が良く、低周波数であるため減衰が少ないという特徴がある。
【0076】
(5) 「水検体」のORP値の良化は、水和電子の増加と解釈すれば、その電子は当放射波が検体容器(ガラス、PET等)に吸収され、電荷発生し「誘導帯電」の原理によって、充填水の中に電荷が発生することに起因していると考えられる。さらに放射によって、水検体の水は勿論、カラの容器、家具類、壁、タタミ、衣類までが、浸度の深い静電荷(過剰な電子・還元性)を与えられ、相当期間それが存続していることから、静電波の性格も持っていると思われる。
【0077】
以上のことから、この放射波は、電磁波や電波に属さない変動する電界、即ち静電波と称されるものと思われ、その放射の際、高周波の通電電流により発生する表面弾性波も生じていると考えられる。
【0078】
この点の理論的な裏付けは、以下の通りである。
【0079】
▲1▼櫛型電極に高周波交流を通電すれば、トランスデューサーとして、超音波の一種である表面弾性波(SAW)が発生することが知られている。本発明の放射装置は、通電電流が放射素子である同軸ケーブルの外側編組部分を通り、内側の芯線部分を(反対方向ではあるが)通っている。これが複数条並設された形態は、櫛型電極に通じるものがある。
【0080】
以上の点から本発明の放射装置から放射される超音波は、表面弾性波の性質を持つと思われる。
【0081】
▲2▼「メアンダ線路」理論によると、メアンダ線路は直流を含めた低周波の電磁波を伝送することが可能であり、その導体長さが波長の1/4に等しくなる周波数が通電帯域の中心周波数と見なされる。本発明の放射装置では、同軸型放射体の内外導体間にコンデンサを介在させ、この放射体の仮想長を、印加される電流周波数(2.5KHz)の波長の1/4(30km)に設定している。
【0082】
従って、本発明の放射装置から放射される超音波は、約20KHzの周波数を中心とした多重周波数である。このことを次に記述すると、
【0083】
▲3▼チャージされた2本の導体間にはクローン力が作用する。交流の場合、それらの導体は交流周波数の2倍の振動数で微かに振動している。本発明の同軸型放射体では、芯線部分の内部導体を流れる電流の方向と、編組部分の外部導体を流れる電流の方向が絶えず反対向きなので、両者間には、図3に矢印で示す方向の反発力が周期的に発生することとなる。従って、放射素子としての同軸ケーブルは、直径方向に振動的な膨張を繰り返す事となるが、この同軸型放射体は、図4に示すように絶縁スペーサーを介して反射板に固定されているので、この力は、同軸型放射体の長さ方向の引っ張り力として作用する。よって、この振動は、結果として取り付けられた反射板を前後方向(図4に太い矢印で示す方向)に振動させ、空気にこの振動を伝播させることとなる。
【0084】
このように本発明の還元性を与える波動の放射方法では、櫛歯状に配置された複数の同軸型放射体の内部導体と外部導体との間に、この同軸型放射体の共振周波数に対応する高周波の交流を通電することにより、被射体に還元性を付与する表面弾性波と静電波を生じさせるようにしたものである。
【0085】
次にこの理論に基づき製作された放射装置の好適な例を示す。
【0086】
【実施例1】
図5は、本発明の理論に基づく放射装置の一実施例を示した簡略配線図である。この場合、通電用電源として、2.5KHzのものを使用することとし、内外の導体間に同一静電容量(0.22μF)のコンデンサを介在させた7条の同軸型放射体3で補体部3Bを構成し、異なる静電容量(0.22、0.47、1.0)のコンデンサを介在させた6条の同軸型放射体3で主体部3Aを構成し、この主体部3Aと補体部3Bの同軸型放射体3を交互に配置したものである。そして、2.5KHzの交流が通電される回路を切り替えることにより、仮想長が等しく設定された補体部3Bの同軸型放射体3を作動させ、特定の強い波動を発生させるか、仮想長が異なるように設定された主体部3Aの同軸型放射体3を作動させ、種々の波長が重畳した波動を発生させるか、選択できるようにしている。なお、上記のコンデンサーの容量は、放射体の仮想長を供給される交流周波数の波長λの1/4nとする値のものを、選択的に使用している。つまり、放射体の仮想長を交流周波数の波長に同調させ、共振させるようにしている。
【0087】
【実施例2】
図6は、本発明に係る同軸型放射体の他の接続例を示した簡略配線図である。図示したように、この場合は、通電用電源として40KHzのものを用い、補体部3Bを構成する同軸型放射体3に0.1μFのコンデンサを用い、主体部3Aを構成する同軸型放射体3には、0.1μFと0.22μF、及び0.47μFのコンデンサを用い、さらにこの主体部3Aと補体部3Bを構成する同軸型放射体3を左右3本づつを直列に接続すると共に、この直列に接続された左右のものを並列に接続するようにしている。このようにすることにより、特性インピーダンスを直列接続の場合の1/4にすることができ、より強力な放射エネルギーを発生することが可能となるものである。さらにこの場合は、主体部3Aと補体部3Bに同時に通電し、両者を同時に作動させることができるようになっており、このようにすれば、種々の波長の超音波が発生することとなるが、それぞれが互いに干渉することにより、周波数の低い合成波となるものである。よって、例え、長時間この放射を浴びたとしても人体に影響を及ぼす域には達しない。
【0088】
以上の通り、本発明の波動の放射方法や装置では、何ら媒体を用いることなく、被射物に直接、過剰電子を与え、還元性を与えることができるものである。
【0089】
なお、上記では電源として2.5KHzと40KHzの交流を用いたものを例示したが、本発明の方法や装置に使用される電源の周波数は、100Hzを越えるものであれば良く、特に限定するものではないが、効果的には、2.5KHz〜40KHzの範囲が推奨される。
【0090】
【発明の効果】
以上の通り、本発明のうち、請求項1記載の発明は、内部導体と外部導体との間に誘電体が設けられ、櫛型に配置された同軸型放射体に、この同軸型放射体の共振周波数に対応する高周波の電流を印加することにより、電子供与作用のある波動を生じさせるようにしたので、媒体などを要することなく、容易にその周囲にあるものに還元性を与えることができるという効果がある。
【0091】
請求項2記載の発明は、内部導体と外部導体との間に誘電体が設けられ、櫛型に配置された同軸型放射体と、この同軸形放射体に所定周波数の交番電流を供給する発振器とで還元性を与える波動の放射装置を構成したので、簡単、かつコスト低廉に製造できるにもかかわらず、電子供与作用による還元機能が得られるという効果がある。
【0092】
請求項3記載の発明は、各同軸形放射体を発振器と直列に接続すると共に、その内部導体と外部導体との間に、印加される交番電流の波長に同調させるためのコンデンサを設けたので、同軸形放射体の長さにかかわらず所望の波動を生じさせることができるという効果がある。
【0093】
請求項4記載の発明は、列設されたそれぞれの同軸形放射体を等しい曲率で同方向に湾曲させることにより、発生する波動を所定の方向に対して強力に放射できるという効果がある。
【0094】
請求項5記載の発明は、同軸形放射体を同軸ケーブルで形成することにより、この種の還元性を与える波動の放射装置を容易、かつコスト低廉に製造できるという効果がある。
【0095】
請求項6記載の発明は、同軸ケーブルの外被を除去することにより、請求項5記載の発明の効果に加え、発生する波動をこの外被で減衰させることなく、一層強力に放射できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る還元性を与える波動の放射装置の実施形態の斜視図である。



【図2】図1に示した装置の配線接続部分の簡略説明図である。


【図3】同軸型放射体に作用する力を示した断面説明図である。


【図4】反射板に作用する力の方向を示した側面図である。


【図5】本発明に係る放射装置の放射体の接続例を示した簡略図である。


【図6】本発明に係る放射装置の放射体の他の接続例を示した簡略図である。


【符号の説明】
1 放射装置
2 反射板
3 同軸型放射体
3a 内部導体
3b 外部導体
3c 誘電体
3d 外被
4 導線
5 コンデンサ
6 絶縁性スペーサ
3A 主体部
3B 補体部

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