富士酢の飯尾醸造 蔵見学
5/17、富士酢を造っている飯尾醸造に蔵見学に行ってきました。
飯尾醸造は天橋立が一望できる宮津市にあります。
蔵見学の前に、飯尾醸造の酢造りの主原料となるお米の生産地
(田んぼ)の見学です。
蔵から田んぼまでは車で40分ほど掛かります。
通常、農家さんたちは平野にある田んぼを好まれるのですが、
飯尾醸造の契約栽培している田んぼは標高350m〜500m
という高地の僻地にあります。車で連れて行っていただいた時は
「どこまで連れて行かれるんやろう?」と思うくらい山奥です。


飯尾醸造の蔵人の秋山さん曰く、「こんな僻地でお米を作っているのに
は理由があるのです。完全無農薬米を作るには近隣で農薬散布をされる
と、その農薬がついてしまう。この集落全ての方と契約栽培していますので完全無農薬栽培が出来るわけです。」

飯尾醸造で使うお米は全てここのお米を使用されていますが、もう40年前から完全無農薬栽培米です。
高度成長期、農薬を使うことが当たり前だった42年に完全無農薬米使用を目指し、この集落の全員と契約するに至る
話を聞きましたが、本当に苦労されて今の飯尾醸造があると思います。

このお米だけでも相当なこだわりですが、蔵に行けばそれ以上のこだわりを見せていただきました。
製品化までに掛かる時間と1本当たりのお米の使用量です。
お米の生産から始まり、その原料でお酒を造り、それを発酵。やっと酢になります。
お酒から酢になるまでの静置発酵も夏場で4〜5ヶ月、冬場で2.5〜3ヶ月掛かります。
製品として出来上がるまでに約2年という長い年月を掛けています。
さて、なぜ冬場の方が早く発酵するのかといいますと、静置発酵という
自然の気温で醸造タンクの中を発酵中の酢が循環します。

 


空気に触れるタンクの表面だけ自然発酵していますので、
表層の温度は40℃と1年を掛けてあまり温度が変わらないのです。
なので外気温が低ければ低いほど自然によく循環し、
夏より短い期間で酢となります。
この静置発酵は酢本来の風味を出すために行っており、
昔ながらの製造方法です。

また、蔵には1本あたりの米の使用量が分かりやすいように
瓶にお米を入れて展示してありました。
写真を見れば一目瞭然。全く違います。
ちなみにプレミアムというのは富士酢の最高級品です。

一般にある酢は原料名を見ると、米以外に
醸造アルコール、酒精、アルコールなどが書いてあります。
そのような酢は半日から3日で製品化されます。
発酵方法は常に機械で循環させますので、風味がなく、
ただ酸っぱいだけの酢になり、あまりにも酸っぱすぎるので
水で薄めます。
本来、味というものは風味があってこそ、味の良し悪しが
決まります。
風味を大切にし、質と時間を掛けた味と比べなくても分かる
ことです。
しかしながら、どちらの酢も醸造酢と表記できるのです。

飯尾醸造の富士酢