【2021.2 月刊 健友館より】 |
昨年からキャンプが流行り、それに伴って燻製を作ることに興味を持ち始めている人が増えているようだ。
5年ほど前から燻製を作ることに興味を持ち、熱燻、温燻、冷燻を何度か作ったが、この寒い時期しかできないのが冷燻となる。
冷燻は15℃~30℃の温度で燻す。なので気温が5℃ぐらいの真冬でしか作れない。
冷燻用に設備を整えてやれば冬でもできるが、個人の趣味でそこまでする人はほとんどいないだろう。
生のスモークサーモンは代表的な冷燻で、脂がのっている魚によく合う調理法。
この時期に脂ののった釣れる魚と言えばブリ。運良く、全身トロのような脂ののったブリが釣れたので早速冷燻にした。 |
燻製全般に初めに行うのがソミュール液を作ること。
少ししょっぱめの塩水(約8%)に適当なハーブを入れて火にかける。
ソミュール液が冷めたらブリの身を投入し、3~7日間、冷蔵庫で寝かす。 |
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漬け込みが完了すれば一夜干しネットに入れて一晩、風にさらす。
一夜干しをなぜするのかというと、煙ののりを良くするのと、身から余分な水分が抜けていているので日持ち、食感、味が一段と良くなる。 |
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ここまでが下準備、これからが燻製作業に入るのだが外気温がちょうどいい日まで下準備した身は冷蔵庫で保管。
ここから燻製器が登場するが、わざわざ専用の燻製器を購入することもない。
店長は一斗缶を工作したものに網を取り付けただけなのだが、ダンボールで即席
燻製器を工作している人もいる。
ダンボールの方が洗う手間もなくていいかも? |
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さて、am4:00の早朝、気温が5℃。冷燻ではスモークウッドというものを使う。
大きな線香のようなものと考えてもらってもいい。
ちなみに熱燻、温燻の場合はスモークチップ。
これらはホームセンターなどで
売っている。
燻製器に下処理した魚を並べ、スモークウッドに火を点け蓋をする。
すると隙間からモクモクと煙が出てきて、その周りはスモークの香りに包まれる。
燻製器の中の温度が15℃~30℃以内かを何度かチェックし、約1時間半で出来上が
る。 |
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完成すると余熱が魚の身に残っているので余分な水分をキッチンペーパーで拭い
て少しの間、風にさらし熱と水分を抜く。 |
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そして熟成。3日以上は身に水滴がつかないように冷蔵庫で寝かせてください。
完成すぐは煙のキンキンとしたあまりおいしく無い味がします。
かならず熟成を。
一夜干しと煙の殺菌で思っている以上に日持ちはします。
ただ、冷蔵庫で保管中
の水滴には注意してください。 |
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スモークがもともと嫌いな人は別として、お酒をたしなまれる方には最高のおつまみ
になります。
製品になっている燻製はくん液(燻製の素)に漬けただけのものも多いので自家製の
スモークの香りは別格。
少しの塩にオリーブオイル、レモンを垂らして食べても美味しかったですが、店長的
にはマヨネーズとほんの少し醤油を垂らして食べるのが一番旨かったです。 |
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ごはんの上に玉ねぎを散らし、その上にこのブリの冷燻を乗せ、マヨネーズをかけて食べるブリの冷燻丼もオススメです。 |