下の図は良食味品種の系譜ですが、
美味しいお米のツールをたどると東日本の「亀の尾」西日本の「旭」に行き当る。
両品種とも明治の農家が在来種から選抜した傑作である。
●旭時代を築きあげた。
昭和になって急速に普及、1935年の作付面積は旭の純系分離系統を合め22万9000ha
に及び、
旭(京都旭)は西日本一帯に広く普及。
昭和初期には東日本の「農林1号」と東西をニ分しました。
旭の評判は米が大粒で美味という点で、市場評価はきわめて高く、旭時代を築きあげました。
昭和30年ごろまでは、関東では小粒米が好まれたが、関西では旭の影響で大粒米が好まれ、「大粒米でなければ米ではない」、「大阪の米相場を左右していた」とまでいわれた。
●今では幻の『旭1号』
1960年代半ばに作付けは大幅に減退した。
その考えられる要因の中の1つに新米のできる時期があります。
現代では9月が収穫の時期の「早生」がほとんどだが、旭は「晩生」なので10月が収穫の時期になります。
また、倒伏しやすく、いもち病、白葉枯病に弱い。
籾が脱粒しやすい。という欠点があった。
戦後、食糧不足の中で栽培しやすい多収品種が普及し、近年はほとんど作付けされなくなり、「幻の米」とされていた。 |