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原料が3種類だけの
ヘアーワックス
『 和っくす』からリニューアル |
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ひらめき |
「ありがとうシャンプー」の取材で㈱シマムラへ出かけました。
その㈱シマムラは創業155年の老舗の化粧品製造会社。
自己紹介の席で㈱シマムラの島村常務が、雑誌の企業紹介のところを広げ
「ここに紹介されています。当社はこういった物を製造しております。」
そのページに紹介されている商品の中で何に使うものか分からないものがありました。
浮世絵で髪にくしを入れている絵です。
「鈴虫? 何ですかこれは?」
あぁそれね。
と出してもらったのが『鬢付け』でした。
その商品を実際に手に取って見ても訳の分からないものです。
「これは何ですか?」
「それは鬢付け油(びんつけあぶら)といって日本髪を結う時に使うものです。
お相撲さんのちょん髷(まげ)や、歌舞伎役者が汗で化粧崩れを防ぐためにドーランを塗る前に塗るものです。」
それを手に取ってマジマジ見つめました。
『これこそ日本古来のワックスでは無いのか?』
『こんなもの今までこの業界にあったか?』
この出会いは私にとって、かなり衝撃的でした。
いくつか商品をいただき、早速、自分の髪につけ、友人の自然食品店に送り、お客様に試していただきと、『鬢付け』の事をいろんな角度から調べてゆきました。
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挫折 |
調べてゆくうちに肌にとっても、害が無いことが分かってきました。
何よりも原材料が2種類のみ。
私の知りうる限り、髪の毛につけるものは訳の分からないほどいろんなものが入っています。
それも知らない言葉の原料ばかりです。
『これはほんとに良い物ではないか?』と思っていた矢先、
お試しいただいていたお客様から
「使っていると気持ち悪くなる。臭いがダメ。」
そんな言葉が続出しました。
返品までありました。
こんな時は自分自身の心の揺れ動くのが分かります。
『なんでこんなことをしだしたのだろう?』
『やっぱりダメなのかな』
鬢付けの成分は菜種油とモクロウのみです。どうしても油の酸化する臭いは避けられません。 |
すき油 |
その話を自然食品店の友人にすると
「アロマオイルを混ぜたものを作りましたが、なかなか良いですよ。」
㈱シマムラから頂いてたのが『鬢付け』と、鬢付けよりもやわらかい『すき油』です。
ハードの鬢付けはアロマオイルが混ざりませんのでソフトの『すき油』とアロマオイルを混ぜたものをその友人から送ってもらいました。
半分あきらめ気味に蓋を開けると、臭いが匂いに変わっています。
またやる気が出てきました。
でも、どうしても菜種油の酸化の香りはあります。
あと「べたつく。」といった言葉も多く聞いていました。
再度、島村常務から頂いた紹介雑誌を見てみると、もともと㈱シマムラは「オリーブオイルを開発してきた会社であり、オリーブオイルのことは詳しい」と書いてあります。
早速、電話を入れ、オリーブオイルのこと聞き、主成分である菜種油をオリーブオイルに変更した試作品つくりを依頼しました。
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香り |
試作品が到着しました。
油の酸化の臭いはあまりありません。
早速、香りの注入です。
香りに敏感な女性の感性を聞くため、スタッフ高桑と何日も掛けて『気分の良い香り』探しの研究をし、ラベンダーに決定しました。
またまた、ラベンダーを注入した試作品をお客様に配りました。
しばらく日にちが過ぎましたが返品がありません。
お客様たちに感想を聞いてみると
「髪の毛がまとまる。」
「成分は?」
「いくらぐらいで販売するの?」
「少しラベンダーの香りがキツイ。」
あれ? 反応が明らかに変わっています。
早速、アロマオイルのメーカーを調べ、業務用の輸入品クロッソラベンダーを仕入れました。
すぐに㈱シマムラへ送り、私たちが注入したラベンダーの分量より少なめに試作品第2号を作っていただきました。
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●ここまでは順調に来ていましたが、ここからが他の試作品を作ったりと、
1年ほど時間が空いてしまいました。
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決め手はお客様の声 ついに完成いたしました! |
原料がすべて分かり、かつ原材料の種類が少ないヘアーワックスの構想を持ったのが今から一年半前になります。
途中試作品作りを繰り返し、ヘアーワックスとは全く別物になっていったものもありましたが、完成の決め手となったのはやはりお客様の声でした。
はじめの試作品を試していただいたお客様から
「手あれがひどく、何をつけてもよくならなかったのが、これはすぐに良くなった。」
「安心して使えるヘアーワックスがない。これなら安心して使える。」
「和っくすを髪につけそのまま手を洗わずに顔や、手に擦り込んだりしてると肌の調子がよくなった。」
と聞き、もっといいものは出来ないか?といろんなものを作りました。
しかし、結局は一番初めの試作品を超えるものは出来ませんでした。
1年が過ぎ、そのときのお客様から「出来た?」と聞かれたのが最終的に製品化に結びついたお声でした。
健康ストア健友館は創業から8年が過ぎようとしていますが、こんなに長い期間の間、できるか出来ないか分からない商品を心待ちにされている商品とはめぐり会ったことがありません。
お客様の声 |
●手あれがひどく、何をつけてもよくならなかったのが、これはすぐに良くなった。 |
●安心して使えるヘアーワックスがない。これなら安心して使える。 |
●和っくすを髪につけそのまま手を洗わずに顔や、手に擦り込んだりしてると肌の調子がよくなった。
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●セミロングも髪の毛ですが、毛先がはねなく、しっかりとまとまる。 |
●パーマをかけているのですがしっかりととウエーブがでる。 |
●べたつきがなく軽く仕上がり、程よい毛束感が出せます。 |
●MSさま
届いた日から早速使っています。元々、昔のハリウッド俳優のような、オールバック気味の髪型にしようと、色々試した末に水性・油性のポマードにたどり着いたのですが、どれも整髪力はあっても、香料の匂いがきつすぎるので、何かあればと探していました。
和っくすは、その点非常に理想的で、材料も安心できる物だし香りもとても上品です。
癖毛の剛毛でも、シャンプーした後のタオルドライの状態で、半ば濡れた髪に和っくすを擦り込み、髪
を撫で付けると、乾いた後、上品な艶で綺麗なスタイルに仕上がります。
しかもポマードのようにべとつきません。
今後も使いたいと思います。
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●RRさま
敏感肌用のシャンプーは近頃よく見るようになりましたが整髪料はまだあまりないので手作りヘアワックスを作ろうと原材料を調べているときにこの“和っくす”を見つけて購入しました。
確かに自分の作った蜜蝋・ホホバオイルベースのヘアワックスではどう頑張ってもオイルの重さが気になっていたのですが、この“和っくす”はべたつきがなく軽く仕上がり、程よい毛束感が出せます(私はセミロングです)。
原材料もシンプルなので安心だし、ラベンダーの香りも髪に付けるとほとんど感じなくなるので、性別関係なく使えます。まだ使いはじめですが、他に肌に合ういいものが出ない限りは使い続けたいです。
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●MKさま
和っくす、友達に貸してあげたら、私の分も注文してと言われたので注文します。少量で髪、つやつやです。
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●TTさま
和っくすもらいましたが、気に入っています^^
私は一般の香料とか化学薬品が苦手で、ワックス使えなかったので、うれしいです。頼んでよかったです^^
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●YKさま
和っくすは早速使ってみました。
もともとヘアワックスは使う方ではないので参考になるか分かりませんが、自然な感じで髪がまとまって良いのでは、と思いました。
だけど、それ以上に「洗い流さなくて良い=ハンドクリーム代わりになる」ことに感激しました。
実は私、これまでハンドクリームをヘアクリーム代わりに使っていたのですが、これからは、和っくすを手全体にすり込んで、それから髪にもなじませるという使い方ができそうだな、と思いました。
油(オリーブオイル?モクロウ?)臭さについては私はあまり感じませんでした。
確かに、和っくすを塗った手を鼻先まで近づければラベンダーの香りに混じって油の匂い(というか原料臭)はしますが、普通に使う分にはラベンダーの香りしかしません。
ただ、髪でも肌でも、塗りすぎると油の匂いが強調されるかもしれないな、とは思います。 |
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製作工程 |
製作工程はオリーブオイル、モクロウを湯煎で溶かし、ラベンダーを入れ、冷やします。
冷やしながら“ねり”と言う工程を行います。
この“ねり”は簡単に言えばかき混ぜる工程ですが、季節により温度が違う為、練り方に工夫があります。
これが老舗の技術なのでしょう。
このように和っくすが出来上がってきますが、本当に手作りです。
製作数量も少なく、詰める作業で充填機(ジュウテンキ)などの機械を使わず、人の手で詰めています。
今後、この製品がどのように世の中で活躍してくれるかは分かりません。
全く見向きもされず、そのまま消えてしまうかもしれません。
「本当によかった。」と言うお言葉のみで突き動かされた商品です。
ひらめきから出来上がった商品ですが、一度試していただいて皆様のお声をお聞かせください。
オリーブオイル、モクロウを湯煎 |
↓ |
ラベンダーを入れ、冷ます |
↓ |
“練り”の工程 |
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平成20年10月22日に工場に行ってきました!
製造個数が増え、充填機を使うようになりました。
とても嬉しいです! |
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充填機で充填中です。 |
充填機の上から見たところです。
和っくすが熱すぎても、冷えすぎても充填しにくい大変な作業みたいです。 |
内容量を測ります。 |
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詰めたばかりは表面が乱れている為、 |
表面をドライヤーで滑らかにしている所です。 |
これでフタをつけ完成です。 |
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ご要望を反映しリニューアル品の登場 |
和っくすを販売してから数年が過ぎ、
●香りを変えればいかかでしょうか?
●ハードバージョンを作ってほしい
●量は多いので、小さなサイズで作ってもらえませんか?
というご要望がたくさん出てきていました。
ただ、当時はすぐに新商品を作る力が当店には無く、これらのご要望は大事に温存させていただいていました。 |
全てはお客様のご意見 |
和っくすの販売から7年半が過ぎたときに、ふとしたきっかけから
ご要望が多かった和っくすを作ることになりました。
リニューアル品と言ってもいざ作るとなると新商品を作るのとほとんど変わらない苦労の連続で、
容器や原料の見直しを再度行うことにしました。
わからないことはお客様にアンケートをいただいたり、
また、香りについては詳しいお客様にアドバイスをいただいたりと、当店がかかわって作りましたが、
ほとんど全てお客様が作ったと言っても過言でないくらい、
新商品にはご意見を反映できたと自負しております。 |
硬さ |
和っくすの硬さはそのまま残し、もう1つハードバージョンを作ることにしました。
なので今までの硬さの「ふわっと和っくす」とハードタイプの「きりっと和っくす」が登場します。
「ふわっと和っくす」はすでに割合が決まっている「和っくす」が基となりますが、
「きりっと和っくす」は新商品となるので1年間かけて硬さを保持する割合を見つけました。
原料が少なく、かつ自然素材なのでどうしても暑い時と寒い時では硬さにムラが出てきます。
許容範囲の硬さを見つける為に何度も試作品を作り、最終的に決定した割合は夏と冬を過ごさせて決めたものとなります。
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香り |
香りは一番大変だろうと鼻から考えてましたが、本当に難しい課題でした。
これはたまたまお客様でアロマにとても詳しい方にアドバイスをいただけましたので何とかなりましたが、
当店だけではとてもここまでの良い香りは出来なかったと思います。
初代和っくすでの香りはそのままに、
それに1つだけアロマを加え、割合を変えるだけでモクロウの香りが抑えられ、
女性、男性問わず、好んでいただける香りに代わりました。
原料は今まで3種類でしたが、4種類に変更となります。
オリーブオイル、モクロウ、ニュウコウジュ油(フランキンセンス)、ラベンダーです。
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原料 |
●オリーブ果実油 |
オリーブオイルに含まれるその他の美容成分には、肌環境を健やかに整える働きがあります。オリーブオイルの持つ成分は、乾燥肌や敏感肌におすすめです。
- ビタミンE:肌を保護する
- ビタミンA:肌のハリと弾力を保つ
- ポリフェノール:肌をすこやかに保つ
- オレイン酸:保湿効果
- スクワレン:浸透作用※、保湿効果
- リノール酸:水分保持
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●モクロウ |
「はぜ」(うるし科)の実の薄い外皮に含まれた中果皮を圧搾あるいは抽出して得られる植物性油脂で、生蝋(しょうろう、きろう)とも呼ばれる。はぜの木は昔から四国地方や九州地方で盛んに栽培されたため、現在でも木蝋の製造はこれらの地方で行われている。
そのままロウソクの原料として使われることもあるが、天日でさらすなどして漂白した「白蝋」として、ロウソクの材料やろうけつ染めなどの染色材料、力士の髷を整えるための鬢付け油としても用いられる。
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●ニュウコウジュ油 |
樹木から分泌される樹脂のことを乳香(にゅうこう)またはフランキンセンスといいます。
フランキンセンスの樹木は樹皮の内側に樹液が蓄えられていて、樹皮に傷がつくと液が出てきます。その樹脂を水蒸気蒸留したものがアロマセラピーの精油になります。
フランキンセンスは古来より「若返りの精油」とされ、エジプト人はフランキンセンスを使って、若返りのパックを作り、しわとりをしていた、と言われています。
現在でも、老化した肌の強壮や収れん作用、皮脂のバランスを整えるのに役立ち、炎症を抑え、しわを伸ばすのに効果的とされ、プロのエステティシャンの方もよく使用されています。 |
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●ラベンダー油 |
ラベンダーはハーブの中で最も代表的なものの一つで、地中海沿岸地方原産の多年草、草丈は1mくらいになります。
昔から、ラベンダーの香りには
「神経を沈静化する効力がある」と言われてきましたが、
近年の科学技術の進歩で脳波の検査や香気成分の測定などができるようになって、まさしくその効能があることが確認されています。 |
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使い方 |
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【内容量】38g
ヘアーセットのみならず、スキンケアにもいいです。
もともとヘアーセット剤として開発したのですが、乾燥したお肌の『かさつき』に抜群によかったと言うお声が多い商品です。
ヘアーセット後に手に残った「和っくす」を顔、手などに擦り込んでください。
【平成28年度 厚生労働大臣表彰「卓越した技術者(現代の名工)」】に選ばれた鬢付け師に作っていただいています。 |
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